誰もが喜ぶ中学校給食を
議会で何度も質問を繰り返してきた「中学校給食」ですが、葉山町教育委員会が給食実施に向けた答申を出したことを前回お伝えしました。6月議会では、更に今後の具体的実施方法などを質問しました。一番、懸念されるところは実施方法。町内小学校が行っている「自校式」、何校分かを一緒に作る「センター方式」、個別にランチボックスなどに入れて配送される「デリバリー方式」などが主な方式です。
お隣の逗子市では、今年の10月より中学校給食が始まりますが、方法は、管理栄養士が考案したメニューを業者が調理し、ご飯とおかずが入ったお弁当箱を各校に配達、温かい汁物も提供されます。注文は事前にインターネット等で個別に行います。この方式であれば新たに調理場の整備は必要なく、経費を最小限に抑えられるというものでした。
しかし、学校給食法に定められている配達圏内に生徒分の調理を請負える業者はなく、結局、多額な整備費をかけ調理業者の施設整備が必要となりました。
「逗子市が、ランチボックス方式で実施する。葉山の分も一緒に調理すれば一番経費はかからない」というような答弁が繰り返されてきました。私は、大阪市で進められたデリバリー方式が、喫食率の低さ、生徒たちの評判等々、学校給食の本来の役割が果たされていないとランチボックスの問題点を指摘してきました。
教育委員会が、逗子市が利用する業者に葉山分の委託が可能か調査したところ、葉山分は更に整備が必要になることが分かりました。
そこで、整備費をかけるなら町内に給食調理施設を造ることが望ましい。給食とお弁当の選択制は公平性に欠けるとし、教育委員会は、食育の観点から選択制でなく完全給食が必要と判断。中学校分も小学校の調理室を利用して作る親子方式は、小学校施設の老朽化もあり疑問が残る。全中学校分を共同調理し配達するセンター方式が、葉山町に合った一番良い方法であるとの結論を得たと、今までと全く違う答弁が返ってきました。
神奈川県は中学校給食の実施率は全国47番目、最低とも言えます。県内では子育て支援策の一環として、実施に向けた動きが色々見られますが、多くの自治体は経費面を考え「デリバリー方式」が多い中、葉山町は自校方式ではありませんが温かいものを温かいうちに食べられる「センター方式」という給食の形となりました。
学校給食は、昼食を提供すれば良いというものではありません。私は、給食は教育の一環であり優先されるべきは経費面でないことを訴えてきました。
子ども達が給食を食べるまでにはもう少し時間はかかりますが、安心して温かく美味しい給食が実施されるよう見守っていきます。