「安保法案の廃案を」葉山町議会が意見書可決
神奈川新聞 2015.6.27 03:00
葉山町議会は最終日の6月26日の定例会本会議で、今国会で審議中の安全保障関連法案に対して廃案を求める意見書を、9対4の賛成多数で可決した。安倍晋三首相、岸田文雄外相、中谷元防衛相、衆参両院議長宛てに郵送で提出する。
県内の他の地方議会では「慎重」「丁寧」な審議を求める意見書を可決した例はあるが、今回は廃案の要望に踏み込んだ。
意見書の提案者は窪田美樹氏(共産)。法案を「日本を『海外で戦争をする国』にする」とし、憲法9条の理念に反するなどとした。
賛成討論に立った畑中由喜子氏(生き生き葉山)は「国民的」合意もなく、数に物を言わせ強引に法案を押し通そうとする安倍内閣の姿勢は、立憲国家のものとは思え無い」と述べた。
一方、反対討論では土佐洋子氏(みんなの葉山)が「戦争するための法案という安易な結論づけには慎重であるべき」。
鈴木道子氏(公明)は「将来にわたり国と国民を守るため、また国際社会の平和と安全に主体的に貢献するための法案だ」と主張した。
安保法案、44議会が意見書 半数越す 慎重審議、廃案など要信濃毎日新聞 2015.6.26
諏訪市、伊那市、大町市、東御市、安曇野市、下伊那郡阿南町、喬木村の7議会は6月25日、国会審議中の安全保障関連法案について、慎重審議や廃案などを求める意見書案を可決した。安倍晋三首相らに提出する。
県内市町村議会の6月定例会で同様の可決は少なくとも44件と半数を超えた。国の安保政策を大きく転換する法案の内容、審議の進め方を県内の議会はそれぞれ注視している。
諏訪市議会は、慎重審議を求める議員発議の意見書案を全会一致で可決。「安全保障・国防方針を大きく転換する法案。国民に対する十分な説明責任を求める」としている。
伊那市議会は慎重審議を求める意見書案に議長を除く20人中17人が賛成。各界から憲法上の問題が指摘され、国民の間にも不安の声や反対意見が出ているとし、「今国会での成立を前提にせず、慎重審議を行うように求める多くの声に応え」、要請するとしている。
大町市議会は、議員発議の「より一層の慎重審議を求める」意見書案に、議長を除く15人中10人が賛成。
別の議員提出の法案に反対する意見書案は賛成5人で否決した。
東御市議会は議員発議の意見書案を全会一致で可決。「今国会での成立を急ぐことなく、国民の理解が得られるよう十分議論をし、慎重審議を求める」としている。
安曇野市議会は、法案の「撤回」「徹底審議」を求める議員提出の二つの意見書案を賛成少数で否決。
動議により提出された慎重審議を求める意見書案を、議長を除く24人中22人が賛成した。衆院憲法審査会で憲法学者3人が法案は違憲と表明したことに触れ、「市民・国民が大変心配している。国民の理解が得られるまで慎重審議を尽くすことを求める」とした。
阿南町議会は慎重審議、国民への十分な説明を求める総務産業建設委員会発議の意見書案を全会一致で可決した。「国民が不安や疑問を持つことのない安全保障政策」を確立すべきだとし、今国会での成立にこだわらず、慎重かつ丁寧な審議を進めるよう求めている。
喬木村議会は廃案を求める意見書案を全会一致で可決。首相が夏までに同法案を成立させると米議会で言及したことについて「議会制民主主義の根幹に関わる、看過できない発言」と主張。「時の政府の判断で集団的自衛権を発動してアメリカの先制攻撃による戦争にも参戦する、という危険な法案」としている。
首相の発言撤回も求めている。